ごはんについて書くための習作も51話目。「話」なのか。作品ではないから「作」ではない。「食」か。51食分も書いていると、無い語彙もすり減る(51(ごい)回目だけに)。あと5分でこの文章を書いているテキストエディタのiPad版開発についての打ち合わせが始まる。macbookの右に据えてあるRODEのコンデンサマイクにUSB-Cケーブルを指し、白く小さなLEDが点灯する。私にはコンデンサマイクを通電しっぱなしにして故障させた友人がいる。 私はこのミーティングが終わり次第、東海道新幹線に乗って上京する。
ミーティングは進捗を確認するだけなので、5分で終了。富士山から自衛隊演習の低い砲撃音が聞こえる。作業机のグラスを洗って駅に向かおうとする。Slackの通知。14:00からの打ち合わせをスキップしたいとの連絡。14:00の打ち合わせに合わせて家を出ようとしていた私は、15:00の美容室に間に合えばよくなったので、昨日途中まで見ていた釣りの動画をYouTubeで見ながら昼食のことを考えている。
新幹線ではなくロマンスカーで上京することにした。インターネットで座席を指定し購入。発車まで40分。各車両、2割程度埋まっている。
秦野市に流れる四十八瀬川を見るために進行方向左側の窓側(2号車15D)に座っている。前のシートを倒されたくないので、車両の先頭が定位置。窓の向こうに「土手の茂みにしゃがみ込む不審者かと思ったらローポジションにカメラを構えている男性」を発見。
駅のホームで電車を待つ私の後ろから「いい旅行だった。ここ(小田原)が沖縄との中間地点かしら。」という話し声がAirPodsProを忘れた耳に入ってきて、これから東京に向かう私は「そんなわけないだろう」と思ったが、彼女たちの出発地点が東京ではなく北海道の網走辺りという可能性を排除してしまっていたことに弁当を開けながら気づく。網走と沖縄の中間地点がここどうかは知らない。
弁当は天丼にした。丸いプラスティックの容器に入っている。駅前の地下にある「キッチン魚國」という魚屋がやっている惣菜屋で買った。他に鮭やほっけ、鯖の味醂干し弁当などがあったが、容器が少し大きくてやめた。このロマンスカー、EXEの座席テーブルは肘掛けから出てくるタイプで小降り、天丼にして正解。今、キーボードをタイプしているmacbookははみ出している。
弁当が小降りだったのと、発車まで少し時間があったので飲み物と何か甘いものを買おうと小田急線の改札を通り過ぎて、スターバックスやキヨスクがある新幹線乗り場側に移動した。甘いフラペチーノは溶けてしまうので、天丼を食べるタイミングと飲むタイミングが被るので却下。キヨスクに鎌倉銘菓の「クルミッ子」が売っているのを覚えていたので、お茶との1個買いが正解だと確信したのだが、一個売りが無かった。明日からのおやつにすれば良いと5個入りを買った。
1200文字を超えたのでこれくらいにして「クルミッ子」をひとつ食べることにする。 通路挟んだ15Aに座ったサラリーマンが見回りにやってきた車掌に「飛び乗ったもんで…」と伝えていた。